日本酒といえば白い磁器の底に青い二重丸が書かれているあのお猪口です。
通称「蛇の目」。
青い丸が蛇の目に見えることが由来でしょう。蛇の目といえば傘やミシンにもその名前が使われていますが、いずれも蛇の目に見えることが由来です。そりゃそうだよね。ちなみに和傘の方は、白い丸模様を上から見たとき、ミシンの方はボビンの形が蛇の目に見えたということです。日本人は蛇が好きなのかな。縁起が良いんでしょうね。蛇舌とか蛇尾とは言わないのかな? そういえば蛇足はあるね。ないけど。
お猪口の蛇の目ですが、あのデザインにはもちろん理由があります。利き酒のための伝統的なデザインなのです。
日本酒は熟成が進むほど褐色になり、若いものは青みがかった透明な色をしています。
蛇の目の白い部分で透明度を見て青い部分で光沢をみるのです。
とはいえ、私には微妙な色や光沢の違いはわかりません…。たぶん複数のお酒を同じ蛇の目に注いで見比べたらその違いがよくわかるんだろうなー。
先日買った「日本酒コンプリート」という雑誌に70種類ものお酒が紹介されていて、全てのお酒に蛇の目に注いだ状態の写真が載っていました。写真だし、小さいし、わかりにくいけどそれでもやっぱり色の違いがわかって面白かった。
シンプルで実用的、しかも飽きの来ない、見れば見るほど素晴らしいデザインです。
蛇の目、侮れません。